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結縁寺の天神様は東谷津に隣接した西側の小高い丘に祀られています。その登り口を上がった路傍に社日塔（神塔）があります。社日とは春分､秋分に最も近い戊（つちのえ）の日のことをいいます。もともと中国伝来のもので､その日を農事に関する神を祭る日としました。
１，社日塔と参道
元々の参道は現在の場所ではなくて、社日塔前の南側傾斜地にあったそうです。その参道脇にあった本塔を現在の場所に移設したと地元の方から聞きしました。
２，社日塔の銘文
この石造物の造立年代は不明でした。五角形神塔の各面には五つの神名が刻まれています。埴安媛命、倉稲魂命､天照皇太神社、大巳貴命、少名彦名命。それらは土、五穀､農業などの神です。
３，豊穣の秋
結縁寺の谷津田は稔った稲が穂を垂れてまさに豊穣の秋でした。
参考文献：1)榎本正三著「結縁寺物語」（千葉日報社）2007年12月
2)「印西町石造物第５集 船穂地区調査報告書」
（印西町教育委員会）昭和62年3月
（写真･文 S.S.）
８月２２日付の本ブログに掲載している赤松宗旦が著した「利根川図志」の中に結縁寺村の鳥瞰図に六坊の所在地が示されています。その六坊を平成１５年に現地調査した記録が榎本正三著「結縁寺物語」（千葉日報社）に記載されています。その調査で坊跡の案内を務めた戸村静夫氏にお願いして、8月２４日会員有志による現地確認を行いました。
１，大仙坊 （大仙坊366番地） 
２，梅本坊 （大仙坊352番地） 
＊ 平成15年の調査では梅本坊跡から２基の板碑が出土しています。現在頼政塚の供養塔左右に納められています。板碑とは板石塔婆ともいわれ仏教の塔婆の一種で､板石を用材としたものです。
３，山中坊 （久保下115番地）
４，滝本坊 （滝谷津612番地）
５，住持坊 （坪作565番地） 
＊「のんのさま」というのは神仏に仕える人を尊敬していう言葉です。
６，安養坊 （外出505ﾉ１番地） 
＊ 坊とは僧侶の住居と寺院が信者のために設けた宿泊所の二つの意味があり､結縁寺の六坊は天正１８年（1590）の戦火で焼失しました。
（写真･文 S.S.）
・梅本坊 ・滝本坊跡 ・住持坊跡 ・安養坊
江戸時代に描かれた結縁寺辺りの絵図には下記の六坊の名がありました。
・山中坊跡
・大仙坊
講義を伺う前の結縁寺のイメージは（親子の縁を絶って）仏との縁を結ぶためはせ参じるというものでした。それが一人や二人ではなく六坊もあるという、なんと東国は熱いのだろう。ところが”結縁”の意味が違っていたのです。曼荼羅図を広げそれへ後ろ向きから花を投げ、花の落ちた仏様がその人の守り本尊となるというものでした。これならファミリーで来れそうです。「坊」は修行僧の寮ではなく人々の宿舎だったのですね。お伊勢参りみたいに皆さん楽しんでいらっしゃる姿が目に浮かびます。
（ベリーフィールド）
